10月1日 近況報告と今後について。
10月1日。晴れ。
東京は満月で隣の家族は屋上でお月見をしている。
幸せそうな家庭を眺めながら久々の交信を始める。
9月半ばに「赤とんぼ」を捕まえて欲しい。という仕事依頼があった。面白そうで、お給料までも出るのだからこんなに有難いことは無い。すぐにOKをした。なんでも撮影で「トンボ」が出てくるシーンのカットがあり必要だそうで。早速、虫取り網と虫かごを100円ショップで購入。本当になんでもある。感謝だ。
今年は雨が続いたせいか、例年よりも夏が来るのが遅かったせいで、「赤とんぼ」どころかトンボが居やしない。ネットで調べた昆虫学者に電話してみた。出ない。2、3人電話したけど出なかった。学者先生は忙しいみたいだ。
調べた。調べた。調べた。
埼玉の山奥に「とんぼの湿地」なるものがあると知った。
電車で1時間30分、自転車で2時間・・・自転車を選んだ。
狭山湖を超えて、山を進んで辿り着いたときには自転車で転んで、足から血を流し。
壊れた虫かごには、膝に張る予定の絆創膏で補強をして。辿り着いた「とんぼの湿地」
看板には「虫や花は採らないでください」・・・絶望した。
湿地には「赤とんぼ」が居た。私は帰った。
その山から下りた近くの河原でトンボを見つけた。神はいた。
虫取り網を慎重に構えて背後からスッと捕らえた。ひび割れた虫かごに入れて、大切に持って帰る。次の日に無事に納品。よかった。よかった。
めでたしめでたしと思った次の朝。何気なくコンビニへ出かけると。
赤とんぼが飛んでたんです。
そんな嘘みたいな本当の体験談を頂きました。
ーーー閑話休題ーーー
自分と舞台の話をする。
9月末に舞台を2本観た。
コロナ事情と向き合いながら上演し、お客様もどこかで待っていたように感じた。
客席の私もそうだ。演劇を作る者として待ってた、はずなのに。その板の上にどうして居ないんだ。どうしてこちら側に座っているんだ。と。苦しくなった。
コロナだからできない。お客様も来れないだろう。客席数が減るから。
どちらの舞台もスポンサーや企画会社が居たからできたんだろう。
小劇場はまだ厳しいよ・・・そうか?違うんじゃないか。
そんな言い訳じみた事ばかり並べて。タイミングのせいにしてないか。
どちらも大きな舞台だった。羨望がいつも軸を狂わせる。
他所は他所。自分は自分。わかっているのにどうして苦しいんだろう。
舞台が好きだけど、そこに居ない。現実。
24歳。前田隆成はどこへ行くんだろう。
ずるずると、それこそステージから引き釣り降ろされるような感覚が何夜もあって。
トンボを採れることに喜んでる場合じゃねえだろって。なに面白がってんだって。
軸を忘れていた自分が許せなくて。思い描いていた未来は徐々に霞んでくのに焦って。
ずっと気持ちが悪かった。
事務所の面談でも、オーディションでも。何ができるじゃなくて、何をしたいか。
そのことを執拗に問われたんだ。
演劇が作りたい。そういうと、煙たがられてきた。脚本賞はとったのか?動員は?劇団の中身よりも数。数。数。現実だから。仕方がないと目をそらしてきた。
だから、俳優として「できる事、あるいは経験のあること」を並べて話すけれど、話せば話すほどに「君をどう売り出していいかがわからない」と、「次に出演が決まってない、停滞しているから」その言葉を貰った。恥ずかしくなった。
だからこそ立ち返るときが来た。
そうだよ。俺は今「停滞」している。コロナとか関係なく。
俳優として、作家として、劇団主宰として。全部ひっくるめて人間として。
「停滞している」事実とレッテルを張られて。それでも関わってくれる人は、一握りの可能性。もうスレスレの可能性を信じてくれている。家族であり、劇団員であり、職場の親方も。
そんなことない。進んでいるんだ。そう言い切りたい。が、まずは認めるんだ。
第一線で活躍する人たちが、狂うようにやって得る当たり前をまだ私は物にできていないと認めるんだ。認めたうえで何ができるのか。
他人は他人。自分は自分。そんなことは知っている。
その自分は他人と比較されて形成される。その現実がある限り。
勝ち負けじゃないところまで、勝ち抜かなきゃ。生きて行けない。
その勝ちに価値があるのかは知りもしない。
選ばれなかったことを「運」のせいにだけはするな。
書く。演じる。観る。動く。感じる。
すべては舞台に返ってくる。信じて。
言い聞かせて、訛った筆と体を叩き起こす。
満月の周期は約29・5日と言われている。
来月の自分がこの文章を観て笑えたら。
今日だけ頑張る。それを毎日やるんだ。
ご愛読、感謝します。
ーー散文終了ーー
次回公演は10月20日㈫
◎30×30参加公演『空箱』を上演します。
19:00~/20:30~の2公演。
大阪の「in→dependent theater1st」
ハコボレに用意されたチケットは限定30枚。
お早めにご予約いただけますと幸いです。
この一夜を楽しみにお待ちください。
ご予約と詳細はこちらから。
前田隆成
ハコボレ配信公演「空箱」 これからのお話。
ええ、どうも。今回も一読お付き合いを願います。
おかげさまで配信公演「空箱」を終演しました。
ーーご挨拶ーー
いつも通り、終演後に少しだけ旅をして呼吸を整えています。
ご挨拶が遅くなりました。ご視聴頂きまして誠にありがとうございました。なお、アーカイブも残ってます。45分程の作品ですので、YouTubeにて「ハコボレ」と検索してもらえるとご覧いただけます。
アンケートを設けてますのでお言葉を頂けましたら嬉しいです。
YouTubeのコメント欄への書き込みも嬉しく思います。
ーーー公演後の記録(ネタバレを含みます)ーー
改めまして、観て頂きましてありがとうございます。「配信公演」と題して挑みました。お誘いいただいた「無名劇団」さんと劇場様に感謝します。今回のお誘いがなければハコボレでは配信はしてなかったでしょう。
劇場にお客様がいない。だけれどカメラを通して絶対に観てくれている人がいる。そう信じることしかできない。こちら側と。いつでも画面を切ることができて、電話も飲食も自由な向こう側。それを繋ぐのは、気持ちなのか。技術なのか。仕掛けなのか。気持ちであって欲しいがそれほど単純なものでもないようで。
観たかった景色は「でかい鮫の絵の前での講談」このゴールは最初に描いていた。
そこに乗るテーマは「生まれながらの劣等感」であったり「コロナ禍での活動の不自由」や「職業選択」それらが渦巻くなかで、私の表現としてやりたかったことは何か。
落語の鮫講釈、講談、自身の女性化、演奏、一人芝居。などなど。今持てるものを力いっぱい握りしめていた。みようによっては全て偽物かもしれない。ただ舞台で俳優として全て本物になりたいという強い意志の元で進んでいるんだ。
ただ、終わった後に感じる虚無は今まで以上で。こんなに見えない。感じれない恐怖が時間の経過と共に広がってくる。劇場で観たかったという声が嬉しくもあり、反面どうにも苦しくなるんだ。 劇中の「適性より何をしたいか」という台詞。父から友人へ。友人からメーデーへ。メーデーからR・サルサンへ。受け継がれて。自分に言い聞かせている。相方は最後の台詞をどう受け取ったのか。その答えを私はまだ知らない。
きっとこれから大きく変わる。
台詞にも描いた通り「画面を通して」しか演劇などの「芸」を観れなくなる時代が来る。希薄になる人情。生産性と数を求められる社会。どうしてこうなるんだ。私だって同じ道を走ってる。大人は劇場の動員数やYouTubeの再生数やフォロワーや登録者。支持率。そこばかりを聞いてくる。それが本当の価値なのかという疑問にうんざりしているし、だけれどそこと向き合い続ければならない現実もわかってる。わかってるだけにどうにも毎日が生きづらい。そんな人が私の他にもたくさんいるかもしれない。その人たちはもっとこの現実とうまく向き合ってるかもしれない。
人生で叫んだことなんてなかった。だけど、叫びたい日は何度もあって。
他人の比較と自分の過去にずっと疲れてる人にハコボレ作品は寄り添いたい。
赤裸々に文章を書いているが。私も作品に救われたい一人なのだ。
私は街という街に音楽や絵が溢れればいいなと思ってる。路上ライブも路上演劇も大道芸ももっと多種多様に、寛容な社会が来ることを願っている。へたくそだっていいんだって。その人をあたたかく見守って成長する姿に拍手を送れるような。芸術が広がるような街が日本全体に広がればいいのに。
そう願った舞台「空箱」でした。
ーーー最後にーーー
ここまで目を通していただきありがとうございます。
私も上記の通り、ちいさな演劇屋のひとりです。今回の公演だってたくさんの方に届いて欲しい。劇場に観に来て欲しい思いでいっぱいでした。普段はあまり言葉にしませんが、何かが刺さった人だけでかまいません。ハコボレの今後の活動の為、少しだけでもご支援いただけますと幸いです。
前田隆成
配信公演「空箱」創作記録⑦
さて。2日ぶりに交信します。
残すところあと6日。
本日は、ハコボレの髙橋が仕上げてくれた衣装に袖を通して、音響さんが用意してくれた機械音を体感しながら全シーンを通しました。少しづつイメージに近づいて来ています。後は俳優として決めなければならないラストシーン。これがハマらなかったときの悔しさはありますね。稽古を重ねます。
今日は「考察」の回です。
さて、今回は相方「大形」について考えてみる。
突然だが彼が「他人への興味が極端に薄い」のは何故なんだろう。そう思い書き始めている。今日の稽古でシーンを立ち上げる前に、俳優としての私の芝居がどう映っているのかを確認した。すると、シーンの良し悪しどころか、私に何の感情も抱いていないらしい。長所も短所も。彼の中で私は「無」なのだ。シンプルに「俳優として、共演して、私の事をどう思うか」と問うと、「シーンが終わった後にダメ出しができるのが凄い」と答えた。言葉に詰まってしまった。
ハコボレの作品で「落語から演劇」をと題して、古典を一席話た後に、関連した芝居を行う演目がある。大形もそのスタイルに参加してもう3度目だ。彼に通し稽古や本番の才に私の落語を聞いているのかと問うと、彼は「聞いていない」と答えた。驚いて、じゃあその際に「何をしているのか?」と問うと、「体が冷えないようにしている」と答えた。
なるほど。確かに本番中体を冷やすのはよくないことだ。とひと呼吸おいて考えてみても、腑に落ちない。落語の内容を元に、話の展開をもたせているのに。これは普通の演劇でも同じで。自分の出番がなく袖で待機しているときに、他の演者の芝居を観ないという事だ。
確かに俳優のタイプはそれぞれだし、それを割り切っていこうとも考えたが、思えば二人芝居でそんなことをされるとは。いや、実際には何もしていないのだが。
私は生物を扱っている以上、その時々の舞台の空気の変化や、温度に敏感であるべきだと思う。こちらの噺がよっぽど悪くて引き付けないということか。それとも興味がないのか。
彼の中で他者への感情はと共感する力がとても鈍いように思う。これは私に限らず劇団員とのやり取りの中でもだ。これは俳優を選ぶ上ではとても不利なのかも知れない。
ただ、上記で書いたがとおり。それでも私は彼と一緒に芝居をしたいと思ってる。彼の特性を生かすのが仕事で。今回の「空箱」のなかで「R-サルサン」というAIの役に挑んでもらっている。自主的に作る分にはとても楽しそうに製作をしている。
彼については考えることがたくさんある。もう少し対話を続けたいし、なんでもない喫茶店でするような会話もしてみたい。
不思議でつかみどころのない彼。今回の舞台もどう思ってるのかもわかりはしないが 。8月15日、16日の2日間。彼は良い芝居をしてくれます。結果そこが良ければいいのかも知れない。大形駿也がどんな俳優なのかがわかる「空箱」をどうぞご覧ください。
前田隆成
配信公演「空箱」創作記録⑥
本日も交信を続けます。
出来事
今日は音響さんの作業室で録音と劇場の小屋打ち合わせを終えました。
そして小屋打ち後に照明さんと諸々の打ち合わせ。本番が迫ることを実感します。
①音響さんの作業室。
収録した音声をその場で加工していただき、声が柔らかくなったり、ロボっぽくなったり。その場で演出をつけて頂ける事に驚きました。調合して組み合わせて効果を生み出す。なんだか魔法使いみたいだなと思いました。
音響さんの作業部屋を訪れるのは初めてで、音響機材、収録機器、スピーカーなどのメカから、レコード、CD、教材まで。聞けば、毎年の音響賞を取った映画作品まで。わかりやすく整頓された部屋は、魔導士の研究室みたいに思えました。
収録も順調に進み、また作品が完成に近づきました。
おすすめの大好きな映画が「ウォーリー」だそうで。最初の数十分は台詞はなく機械音や環境音で進む世界が痺れるそうです。公演後に改めて観たい!
本日はありがとうございました!
今回は配信という事もあり、音響さんの収音のこだわりはとても強いです。
本番をスマートフォンでご覧になられる方は、イヤホンを推奨致します◎
余談
ハコボレ俳優の大形の声は良いなあと改めて。日本ナレーション演技研究所で学んだ彼は言葉を丁寧に投げる。ただ、丁寧さや学んだ癖が単調に聞こえることがある。話し合いを重ねる中で、技術的な提案よりも、情景や役の背景についての説明を促す方が、彼にとって発見があるようだ。
今後も大形駿也の役者としての生態について、学んでいこう。
それではまた明日!
本日も一日、お疲れ様でした。
また聞いてみてください。
配信公演「空箱」創作記録⑤
こんばんは。
配信公演まで残り9日となりました。
本日も交信します。
劇場で通し稽古を終えて一本の軸が通るとここからが面白い。
想定したものに届いていないし足りない。悔しい。
遠くを望んで足元をすくわれたような。そんな感覚。
課題、課題、課題。落語、芝居、音楽。
どれもこの舞台に欠かせない色で。
演劇は正直。
後回しにしたところが鮮明に浮き上がってくる。
「必要な自信」は稽古や向き合った時間で成長していくんだ
さっきも描いたがここからが面白い。
まだまだやれる。行ってきます。
何を持って「舞台に懸ける」なのか
それを知るための9日に。
涼しい顔で熱い舞台を。
前田隆成
ーー鋭い目で宣伝ーー
◎ハコボレYouTubeよりライブ配信!
無料にてご覧いただけます♪
ご覧いただく日時のライブ予定をぜひ登録ください!
https://www.youtube.com/watch?v=oQc7TzX6IAA
【日時】
8月15日 15:00〜 /20:00〜
8月16日 17:00〜
配信公演「空箱」創作記録④
「空箱」の交信を。
本日は音響、照明スタッフさんと劇場稽古と打ち合わせを終えて。
皆様遅くまでありがとうございました。お疲れ様でした。
今日はとある演出家さんに稽古を観て頂きまして、たくさんダメだしを貰いました。
………「ダメだし」って言葉狩りにあったんですかね。最近、聞きません。フィードバックとか、アドバイスとかかな……私の出身高校演劇では「ダメだし」だった。まあ置いておいて。
久々ダメだしにもらう側になると、嬉しいですね。高校演劇の名残で絶対正座して聞きますもの。
自分で作・演出・出演をしていると主観的になりすぎてしまうのはずっと課題でした。だから今日はきちんとしたダメだしを頂けて本当に有難かった。
納得して稽古を繰り返す。見えない一歩じゃなくて着実に進めている感じがたまらなかった。演出家って作品の道を照らす人だ。と改めて認識。翻ってお前、自分自身はどうなんだい?きちんと相手に届いているのか。ダメ出しの内容とその伝え方も吸収していきたい。
そういう意味でも、代表角居と話して、師匠が欲しいよねって話になった。
私は落語や古典芸能が好きで、その師弟関係にも憧れがある。
どうにも皆「平等だ」という流れの中で、演劇という「芸」の手段を一代で終わらせすぎじゃないか。演劇屋の中で弟子を取るというのはあまり聞かない。俳優なら付き人とかかな。劇団が暖簾分けしたりって聞かないな。襲名もなければ名人もない。創ればいいのになと思う。
例えば二代目ハコボレ主宰○○なんてどうだ。これは無いな。乗っ取られてる。
色んな座組に客演して「郷に入っては郷に従え」の精神と「己の我」を通す図太さ。そのバランスを持っていたいものだね。
師匠選びも芸のうちって好きな落語家が言ってた。
演劇ももっと継承されゆく芸能になればいいなと思った。
稽古場からは以上です。
また明日も交信します。
配信公演「空箱」創作記録③
本日も交信を続けます。
みんなの昔なりたかったものは何だろう。
今日はそんなテーマから始めてみます。
幼稚園の時、姉は「獣医」になりたいと言ったので、私は真似をして少しズラして「動物の飼育員」になりたいと何かに書いた記憶がある。その後、私は剣道を始めたころは警察官になると思い、絵筆を握った時には画家になりたかった。結果今は全然違う道を歩んでいるが。
中学の先輩は在学中に危険物取り扱いの免許を取って卒業後自衛隊に入ったらしい。中学の同級生は整体師になると目を輝かせ修学旅行で揉まれた記憶がある。曖昧だが。。栄養士になりたいといってた子。みんな色々話してた。中学生で何かになりたいと思えるのは早いのか。それもわからない。
私は中学卒業時には「俳優になる」と思っていた。人と同じは嫌で、見返したい。そんな劣等感丸出しの思春期。今は演劇を作っている。幸せかと問われれば。やりたい事が出来てるんだから幸せだとも思うし。贅沢な悩みを抱えているだろう。
もしも、生まれながらに幸せになる道が決まっていたのならば。
アナタはその道をまっとうに歩むだろうか。
今回の「空箱」のあらすじの中に「職業がDNAにより生まれながらに決定される時代」という背景を描いています。そんな中で今回は「芸術」という一部を取り戻そうと奮起するチームの下っ端。施設に囚われたメーデーという少女の小さな世界より語られます。また、伝統芸能継承係として「生まれながらの噺家」という男も登場します。そして決められた社会が幸せだと信じるAIのR・サルサン。
「なるべき職業が生まれた時から決まってる」それ以外を選べないことが当たり前の社会。今回もハコボレらしい「現世から少し遠いようで、地続きのSF」をお届けします。
今回は短いですが。以上です。
また明日もお会いしましょう。
前田隆成
配信公演「空箱」創作記録②
こんばんは。隆成です。
出来事
8月2日 22時頃から開始したインスタライブ。飛び入りで「はこしき」に出演してくれた俳優の宮本竜治さんに出てもらいました。次回公演の話や年齢に伴う体調の変化。最後は都市伝説まで。雑談を真剣に広げてました。ありがとうございました◎
近々、竜治さんとも配信の創作でご一緒すると思いますので、お楽しみに。
明日も稽古後に配信できたらと思います。
「空箱」についてのメモ。
3月頃から社会的に蔓延しだしたウイルスさん。4月の自粛期間中にそれぞれの演劇団体が配信を考え始めて。俳優も芸人さんも各々YouTubeに個人のチャンネルを持ち出し活動するという流れの中。ある先輩の女優さんとお話して「この流れどうよ?私らはお客様の前に立ってなんぼの演劇でしょ。魂売ってるよね」なんて声を聴いた。
確かに私も一人の演劇屋として、空間を共有できることで繋がれる熱や、暖かい拍手に何度も救われてきた。劇場という空間にいつもワクワクさせられ魅せられてきた。だから配信で演劇を扱うのは抵抗があった。
しかし2020年。ハコボレは予定していた劇場での公演中止が相次いだ。私は何者でもなくなっていく感覚と自身の存在を肯定できなくなっていた。正直4月あたりが一番苦しかった。
その時に、劇場「Stage+Plus」さんが立ち上げた2劇団による配信公演の企画。そこに一緒に参加しないかと無名劇団さんからお誘いを頂いた。飢えていたこともあって「やらせてください」と即答した。
後に「何故ハコボレを選んでくれたのか?」それが気になって無名劇団の島原さんに問い合わせた。すると島原さんは、悩み事があると先輩劇団の「満月動物園」の戒田さんによく相談するそうだ。戒田さんにどの団体が良いかを伺ったところ、ハコボレを「短期間でも責任もって作品を仕上げてくれる」という理由から押して頂いた。戒田さんは今年の1月に行った「密箱」という作品でお世話になった。そこで行った芝居を観てくれていたのだ。とても嬉しかった。
私はすぐに「誰が見てるんだ」と視野が狭くなり周りが見えなくなるが、責任を持って挑んだ行動は良くも悪くも「誰かが見てくれている」そう温もりを感じた瞬間だった。
考察
だから顔の見えない不特定多数の方に観てもらえる「配信公演」が少し怖いのかもしれない。でも一人でも多くの方に届いて欲しい。そんな両輪を持ってます。
公演情報
◎日時
8月15日(土) 15:00/20:00
8月16日(日) 17:00
◎料金:無料
■ハコボレのYouTubeアカウントより配信!
ぜひ、チャンネル登録をお願い致します♪日
https://www.youtube.com/channel/UC1gPkBvKAqYvBohRbgmDjPw
時
ハコボレ配信公演について
お久しぶりでございます。このブログを立ち上げるのも3、4ヶ月振りなもので。
誰かが待っててくれるであろうことを望んで交信します。どうぞお付き合いください。
さて。表題通り。ハコボレ初の配信公演が2週間後に迫りました。
「初物」を卸すのはとても心がざわつきますが。現在ソーシャルディスタンスを保ちながらほぼ一人芝居を製作しています。第0回の旗揚げ一人芝居を思い出します。
一月にございました公演からもう早半年。東京に引っ越してずっとハコボレの公演を望んでいました。その道中にこのウイルスの騒動。上手くはいかず断念した3月の東京公演。そして公演延期になった6月の二人芝居「ハコがまゑ」我々だけでなく、全国、いや世界中の演劇がなかなか身動きが取れない中、それでも小劇場から演劇を発信することの難しさを痛感しています。
正直「それでも演劇を」ともがきながら、出演オーディションに噛り付くも全く選ばれない半年で。悔しさに惨めさをかみしめながら日々を過ごしてました。東京での新しい出会いや、脚本の仕事を頂いたりで。日々は経過していきますが、根底にある。「劇場での演劇」は遠くなるばかりで。これができないなら「どうして生きればいいのか」ずっと苦しかった。先輩方に相談すれば、苦しいのはお前だけじゃない。みんなしんどい時期だから頑張ろう。と声もかけてもらえました。ですが、その時はどうにも明るい気持ちにはなれなかった。
そんな灰色の日々の中で、今回、大阪は天王寺に構える劇場「Stage+Plus」さんからお声かけ頂きまして、ハコボレ初の配信公演を行う運びになりました。代表の角居が、無名劇団さんから繋いで頂いたご縁です。
やるかどうかの電話を頂いて私は即座に「お願いします」電話口で頭を下げていました。「劇場で演劇ができる」ぞの事が嬉しかった。
ただ、今回はいつもいてくれた客席に、お客様が居ない。それは正直どう左右するかはわかりません。共有できる演劇の形は変わるのか。画面の向こうの皆様にどう伝わるのかを試行錯誤する毎日です。じっくりと作品と向き合っています。
さて。配信公演。「空箱」について。
今回の作品のあらすじです。
こんな時代を超えて。2100年代の「芸」は果たしてどのような姿を求めるのか。
その問いを演劇に昇華させたいと思っています。規制、制限、飽和が年々増す中で。我々のような数を持たない端っこの表現者は何を求めるのか。自身を投影した、吹けば飛ぶような人間達の「芸」についての物語。
詳細はこちらです。
【空箱】
— ハコボレ (@hacobore) 2020年8月1日
ハコボレ配信公演「空箱」
劇場 STAGE+PLUS から公演を生配信!
舞台の臨場感をお届けする試み
◎日時
8月15日(土) 15:00/20:00
8月16日(日) 17:00
■ハコボレのYouTubeアカウントより配信!
ぜひ、チャンネル登録をお願い致します♪https://t.co/NCW6iEYzzm pic.twitter.com/xFYmkaTLF9
お時間は50分程度の作品です。8月15日、16日はどうぞお時間を頂けますと幸いです。これから意地でも毎日発信していきます。どうぞ一人でも多くの人に知ってもらえると幸いです。最後までどうかお付き合い願います。
ハコボレ主宰 前田隆成
4月8日。24歳でいろいろ辞めました。
どうもお久しぶりの交信です。
本日4月8日は、お釈迦様と、桃井かおりさんと、ピエール瀧さんと、沢尻エリカさんと、入江慎也さんのお誕生日です。おめでとうございます。
そして世間では「非常事態宣言」が発効され書店には「100日後に死ぬワニ」の本が発売開始される日に、東京で私も24歳の誕生日を迎えました。
何かが起こる気がしますね、
ハコボレの仲間や芝居に友人からお祝いの言葉も頂き、気持ちは晴れやかです。「誕生日おめでとう」学生時代はこの言葉は入学式や始業式と被ってあまり祝われませんでした。それを思うととても嬉しいです。
2月に引っ越して間もなくコロナが流行り、出演予定の落語も製作予定の演劇も、オーディションも軒並み無くなって、一時は首の吊り方を毎日検索していましたが、もう元気。春やし。この短期間で野垂れ死ぬのもバカバカしいし。今日みたいな日もあるから、生きてて良かったと思えます。ありがたい。皆様に感謝です。いつまで続くかはわかりませんが。
「東京で何をしてるの?」とよく聞かれます。
私は8月に控えたハコボレ舞台を考えながら、他で映像作品を作ったり、出演したり。
脚本のお仕事を頂いたり。舞台設営や映像美術助手などもしています。みんなご縁でのらりくらりと生きています。あとは絵を描いて。花を育てて。平和に過ごしています。
さて本題でもありませんが、、辞めました。
ハコボレでも舞台製作でもありません。これは生涯向き合うつもりは変わりません。
では何を辞めたか。ほんと、皆様には些細なこと、関係ないことで申し訳ないですが。
実は最近SNSで匿名で攻撃を受けていまして。作品や人間を批判するDMが続いておりまして。詳しくは書きませんが、まあしんどかったわけですよ。
気にするな、関係ない。無視すればいい。なんてわかっちゃいるけど一度可視化できた悪口はどんどん膨らんで落ち込んでいたのです。それもあって。SNS、Twitterは一時的に皆様のフォローを外させていただいております。
連中に、自分の立ち位置とか知名度とかを比較されて死にたくなっていたのはありますが。これまで懇切丁寧に対応していたのですが、真摯に対応していたのですが。辞めました。
もうやってられん。なんでこっちが死ななあかんねん。と。燃え上ってきた今日この頃です。今まで周りに求めていた承認欲求。認められたいで進んできたからこそ、こんなにもしんどくなるのだろう。そうも思いました。だから辞めます。そういった心意気で進むことを辞めてみます。「最近、頑張れてないかも。頑張り方を忘れた」こんな台詞も辞めた。
私のことを大切に思ってくれる方がたくさんいて、「面白い」や「一緒にやりたい」その声もたくさんあるのに。そっちに目を向けれずに鬱々としていました。振り返れば、私にとっても大切な人がこんなにもたくさん居る。それは幸せなことです。
何が書きたいのかが収集つかなくなってるけれど、悪口が言いたいだけの連中を気にするのは辞めた。それで弱るのも辞めた。そのくらいのことです。
つらつら書いたのに見てくれてありがとうございます。
こんな時代だからこそ、もっと熱狂的に生きたいんだ。
改めて前田隆成も24歳になりました。ハコボレは5歳。
今年もどうか舞台でお会いできましたら。
前田隆成