蝦蟇のこぼれ話。

本日６月６日は蛙の日だそうで。そんな日があったなんて知りませんでした。

手前、生物の中で何が一番好きかというと。ご存知の方もいるやもしれません。そう。蝦蟇です。カエルです。小さい頃からあのヌメヌメした生物に惹かれてます。今でも大好きです。今日は珍しく好きな物のお話をお付き合い願います。

さてお立合い。蝦蟇の馴れ初め。

　幼少の頃に読んでいた、アメリカの絵本作家アーノルド・ローベルの『がまくんとかえるくん』から始まり、小学校の時に母があみぐるみ（編み物のぬいぐるみ）で作ってくれたカエルを学校にもこっそり持って行ってました。ポケットにはいつもカエルくんがいました。ポケモンではニョロトノが好きです。アニメや漫画でも蛙のキャラクターには感情移入が凄いです。

　中学生ぐらいまで、いろんな蛙のぬいぐるみ収集をしていました。中でも「次の日ケロリ」は熱心に集めていましたね。トチュウという黄色のオタマジャクシもほんとに可愛くて。…誰かわかるのかな。でも思春期というのがあって、同級生に見つからないように購入。同じ物でも二匹は買っていました。遊ぶ用と鑑賞用。布団で川や山を作ってて蛙軍団の東軍と西軍に分かれて戦う遊び。それを一人で何時間もやってました。しかも夜中に。

　今年２３歳の誕生日には『Croak!世界の不思議なカエル』という絵本を頂きました。もうこれはオススメの一冊です。カエルのイラストが可愛くて、要約もわかりやすい。大人も楽しめる図鑑って感じです。是非調べてみてください。

　実物も好き。日本の蛙だと、ヤエヤマアオガエルは可愛い。この子はアオガエルの中でも珍しくオス、メス一匹ずつで交尾をします。一夫一妻で健気な子です。世界のカエルだと、饅頭みたいなアメㇷクラガエル。横筋の綺麗なアカメアマガエル。人を殺せる猛毒を持つコバルトヤドクガエル。などなど。色とりどりの世界のカエルは宝石のように美しいのよ。ほんと。

　そんなカエル好きの私が、世の中で最も憎いのはカエルの口に爆竹を入れて爆破させた同級生。アイツだけは忘れねえよ。人生で殴り合いの喧嘩をしたのはあれが初めてでした。負けました。泣いて帰って仏壇に手をあわせたよ。ほんとにやめようね。

好きが転じて演劇にも。

ハコボレの第一回公演『ハコがまゑ』の二人芝居では緑の蛙と、青い蛙の二匹が春夏秋冬を旅する物語を描きました。昔遊んでいたカエルに『なる』ことができるのですから演劇は面白いですよね。高校生の時に読んだ戯曲で『ダイナマイトと蛙たち』には衝撃を受けましたね。あとは『ブンナよ木からおりてこい』これも大好きですね。みなさんもカエルを題材にした戯曲や小説があれば教えてください！

さてお立合い。と一番最初に書いたのも理由がありまして。これは古典落語『蝦蟇の油』の口上の最初の台詞です。そこから蝦蟇の膏薬を売るために言葉巧みにお客を引き込む露天商のお噺です。明後日に『蝦蟇の油』を題材に短い落語をします。題して『蝦蟇の油売りと蝦蟇の古本売りのすゝめ』という作品です。

　明後日６月８日に第３回縁劇フェスの幕間に出演させていただきます。

会場は『浄土宗鷹典院　本堂』お時間は１５時３０頃より１５分程度。『落語から演劇へ』という試みの一環で。ぜひ御用とお急ぎでない方は覗いてくださいませ。

なんだか、カエルの日だからはしゃいで疲れちゃいました。

でも明日にはけろっとしてるので。次の日ケロリですよ。

本当に疲れてる感じになったのでまたね。

前田隆成