東京公演決定の瞬間のこぼれ話
新年あけましておめでとうございます。2019年になりましたね。
実家から徒歩1分のお寺で鐘を鳴らし今年もスタートしました。
どうぞ今年もよろしくお願い致します。
さて11月に大阪公演を終えた「はこづめ」ですが。
東京公演が決まった事情につきましての小噺を。
2018年の10月中頃。大阪公演の稽古の帰り道で一通の電話が掛かってきた。
お相手は北川大輔さん。カムヰヤッセンの脚本/演出で王子小劇場の芸術監督。
私が東京に来て一番初めにお世話になった演劇の恩師だ。
一年振りくらいの連絡だったのでオロオロとぎこちない挨拶を交わした。
何か俳優として出演のお話が来たのではないかと胸を躍らせていると、
「王子でどうかな?ハコボレの公演」
と全く予想してはいない方向からのお話を頂いた。その言葉に心拍数が一気に上がり飛び跳ねて喜んだ。詳細を聴きながらも頭はアドレナリンが止まらなかった。
話を聞くと、どうやら一月に予定していた他の劇団が、キャンセルになり他の団体を探していたそうだ。すぐに制作の角居に確認をして折り返します。そう告げて電話を切った。
嬉しかった。すぐに角居に確認の電話をしたが繋がらず、居てもたってもいられなかったのでデザインの馬詰に電話を掛け、片山に掛けてたが見事に誰も繋がらない。
鬼のように順番にかけていると最初に馬詰に繋がった。「東京でハコボレ、できるぞ。チャンスだ。」私のその言葉と声の熱で彼は察して、「やろう」と返事をしてくれた。後に角居にも繋がり「やったね」と喜んでくれた。
北川さんに折り返し連絡を入れてやりたい旨を伝えた。電話越しで姿は見えないのに何度も頭を下げて感謝を告げた。この時驚いたのが、北川さんが他の団体を探しているときに、ハコボレを押してくれた人がいたのだ。
それは心斎橋ウイングフィールドの劇場さんで、万博設計の代表 橋本匡市さんだ。
橋本さんとの出会いは、私が19歳の時に北川さんの番外編ツアー公演で演出助手として関わった時の、大阪公演の会場がウイングフィールドだった。そしてハコボレの旗揚げ公演「ハコイリ」もウイングフィールド。その時にもお世話になり、その後ずっと我々の公演を観に来てくれている。その橋本さんが押してくれた事を知って、本当に嬉しかった。
東京と大阪を行ったり来たり、ずっと半端なことをしてるのではないかと罪悪感があった。けれど、実は今までやってきた事が何一つ無駄じゃなくて。全部繋がっているんだと再認識した。
ずっと東京公演を目指してきた。20歳の旗揚げから来年は、来年こそはと言ってきて早3年。このチャンスは逃したくない。その想いで強く「よろしくお願いします」と電話を切った。
東京の私の始まりの大好きな劇場で
初めて外の世界の演劇を教えてくれた北川さん
大阪でずっと見守って応援をくれた橋本さんに
この上ないありがたいチャンスを頂いたんだ
正直な話では、東京に知り合いが少ない大阪の団体だ。お客様がどれくらい足を運んでくれるかは見えない。それでも、私が三年かけて繋がってきた東京の方々や舞台や映画「斬、」を見て興味を持ってくださったお客様に是非見に来てもらいたい。
今私が持てるすべてをぶつけに行く。
ハコボレと、前田隆成の今後を賭けた大勝負
どうか劇場で、その目に刻み込んでください
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ハコボレ第二回公演
『はこづめ』東京公演
◎日時 2019年
1月12日(土)19:00
1月13日(日)13:00/17:00
1月14日(月)13:00/17:00
◎会場
花まる学習会王子小劇場
◎料金
一般 2500円
22歳以下 2000円
高校生 1000円
ご予約はこちらまで。